2019年10月15日 更新

キャンペーン

夏の怪談コンテスト応募作品NO2

ぱどにゃんこ夏のキャンペーン 最恐「実話怪談コンテスト」応募作品を一挙ご紹介!

 

投稿者:タケシ猫

カメラ付き携帯電話が普及して、手軽に写真を撮れるようになりました。でも逆に撮りすぎて、いつ撮ったのか覚えていない写真がフォルダにあったりすることありませんか?

職場の同僚のBさんの話です。Bさんは年配の女性で機械に疎く、ガラケーを手放せませんでした。しかし周囲の勧めもあってついにスマホに乗り換えました。いざ手にすると面白く、Bさんはすっかりスマホにハマってしまいました。中でもBさんが熱中したのは写真撮影でした。簡単に高画質な写真が撮れるとあって、Bさんは行く先々でシャッターボタンを押して回りました。

 

ある日、Bさんが家で寛ぎながらフォルダの写真を見返していると、撮った覚えのない画像が一枚紛れ込んでいました。風景を撮ったもので、場所自体は近くの見慣れた公園です。Bさんが首をかしげたのは、そこに見知らぬ女性が写っていたからです。赤いワンピースを着たその若い女性は、なぜかブランコの上に後ろ向きに立っていました。

Bさんは、女性の行動が奇妙だから撮ったのかなとも思いましたが、それならはっきり覚えていそうなものです。

「私も年ね」とBさんは笑い、その写真のことは気にしませんでした。

 

 

その日の夜のことです。

ブーッと深夜にスマホの通知が鳴りました。

写真の通知です。Bさんは訝しがりながら確認しました。するとブランコの女性が写真の中でこっちを向いて立っていました。Bさんは驚くやら気味が悪いやらで、急いでその写真を削除しました。ところが、また通知が来ました。なぜか削除した写真が元に戻っていて、今度は赤いワンピースの女性がブランコを下りています。Bさんは悲鳴をあげてスマホを取り落としました。


ブーッ、ブーッ、ブーッ。落ちたスマホから次々と通知の音が鳴り響き、Bさんは震える手で確認しようとしました。


ピンポーン!



玄関のチャイムが鳴りました。Bさんは汗びっしょりになって、落ちたスマホと玄関を交互に見ました。
ピンポン、ピンポン、ブーッ、ブーッ。


チャイムと通知が交互に何度も鳴りました。Bさんは慌ててスマホを叩き壊しました。

ピンポォォォ……。玄関のチャイムは間延びしたような音をたてて途中で切れました。


…ブ…ッ。

壊れたはずのスマホが短く振動し、その後静かになりました。

 

 

Bさんが後で知った話では、以前そのブランコで首を吊った女性がいたそうです。その身体はグルグルと回転して、前を向いたり後ろを向いたりしていたそうです。

 

1 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

この記事のキュレーター

ぱどにゃんこチェック ぱどにゃんこチェック