2019年10月15日 更新

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夏の怪談コンテスト佳作受賞作品

ぱどにゃんこ夏のキャンペーン 最恐「実話怪談コンテスト」応募作品を一挙ご紹介!

 

投稿者:k1


 

専門学校の夏の合宿で、鳥取砂丘に行った時の事、夜中に砂丘まで行ってみようという話になり、友人4人と共に深夜に砂丘へ向かいました。

宿から砂丘までは、海沿いのアップダウンのある道を歩いて約20分程度、街灯はありません、そんな中5人で鳥取砂丘に向かって歩いていったのですが、着いてみたものの、街灯は一つもなく、真っ暗!

 

特に面白くも無いのですぐ宿に帰ることになったのですが、友人の女性の1人が急に慌てだして『みんな手を繋いで!』と大声で叫び始めたのです、彼女は霊的なものを感じやすい体質らしく何かを感じそんな事を言いだしました。

さらに『一番はじの人は手を握って開かないで』と言うのです。そして絶対に後ろを見ないでこの状態で宿まで帰ろうと言いだしました。

 

 

何があったのか聞いても怯えてパニックになっている彼女からは何の返答もありません、とりあえず言う通りに皆で手を繋ぎ海沿いの道を歩き始めると、繋いでいる手の間を何者かが通り抜けていくような感覚に襲われました。全く霊感などない自分にも明らかに分かる!

何かが自分たちの近くにいる、彼女にそれを伝えると、『絶対に後ろ見ないで!』とだけ言って怯えている、その後も歩いている間ずっと誰かが手の間を通り抜けていく、5人全員がその気配に気づき恐怖におののきながら20分の真っ暗な道のりを黙って歩き続けました。

 

 

すると今度は何者かの声が聞こえ始めたのです、始めはよく聞き取れなかったのですがそのうち、ハッキリと言葉が分かるようになってきました。

 

 

子供の声で『つないでー』
と確かに聞こえてくるのです。

泣き始める友人もいましたが、なんとか20分耐え忍び、歩き続けて宿が目に入った時、安心した私は思わず後ろを振り返ってしまいました。

するとそこには、無数の子供達が立っていて、我々に向かって



『つないでー、手つないでー、と懇願していたのです』



私は恐ろしさのあまり、先頭を切って宿に向かって走りだしました。

同じように手を繋いだ友人も付いてくる。なんとか宿に逃げ込み、霊感のある友人に事情を聴くと、砂丘に我々が付いたときから、無数の子供たちがいて、我々に『手をつないでー』と言いながら集まって来ていたというのです、もし、誰かが手を繋いでしまっていたらどうなっていたのかわかりません。

 

ひょっとしたら、砂丘から帰る事が出来なくなっていたかもしれません。

 

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